塾には1クラスで複数人が一緒に授業を受ける「集団塾」と個別に指導を受ける「個別指導塾」の2つのスタイルがあります。
個別で運営している場合もありますが、同じグループで両方の塾を運営しているケースも少なくありません。
同じ「塾」ですが、お子さまのタイプや希望する学習方法、レベルによって、よりマッチする学習スタイルを選ぶことで学力アップに差をつけることができます。
ここでは集団塾と個別指導塾について
についてわかりやすく解説します。
集団塾と個別指導塾の違いとは?
同じ塾でも学習スタイルの選び方によって、飛躍的に成績アップにつながったり、反対に伸び悩む…ということも。
集団で受講するほうが伸びるタイプ、個別指導の方が伸びるタイプ、子どもによって違うので、まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットからピッタリ合う学習スタイルを検討してみましょう。
それぞれの特徴比較
集団塾 | 個別指導塾 | |
---|---|---|
テキスト | 指定テキスト | 指定テキスト※1 |
学力レベル | レベル別クラス分けがある | 全般的に対応 |
入試対策 | 対応 | 対応 |
中高一貫校生 | 授業対策は不可 | 対応 |
場所 | 教室 | 個別教室 |
時間 | 塾指定の時間割 | 個別に時間指定 |
回数/週 | 塾指定の時間割 | 個別に回数設定 |
料金 (平均目安) | 小4:約8,000~※2 中2:約15,000円 高2:約36,000円 | 集団塾よりも高め |
※2 中学受験塾の相場は27,000円~40,000円
※ 料金参考:平成30年度子供の学習費調査 (https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html)
※ 料金参考:常陽銀行(https://www.joyobank.co.jp/woman/column/201612_01.html)
学習方法
集団塾と個別指導塾の一番の違いは受講スタイルですよね。
集団塾の場合は1つの教室に数名が集まり、一緒に授業を受けます。
1クラスの人数は塾の規模や学年によって異なりますが、複数名で受講するため、わからないところは手を挙げて質問したり、後から質問します。
集団で授業を受けるので、塾によっては小テストなどは生徒同士で〇付けをしあうなどの工夫もあり、ライバルであり仲間であるクラスメイトと切磋琢磨できるのが集団塾。
一方、個別指導塾の場合には1対1、または1対2(3)のスタイルで授業を進めます。
通路に講師が座り、その両側(+前)に生徒が着席。
それぞれの席は先生側以外はパーテーションで仕切られているので、他の生徒が気になることもありません。
個別で学習を進めるので、自分だけのカリキュラムで勉強を進められます。
わからない問題があれば、他の生徒を気にすることなく、その都度質問ができます。
マイペースに淡々と勉強を進められるのが個別指導塾です。
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学力レベル
どちらの塾でも最初に入塾テストがあることが多く、児童や生徒の学力レベルをチェックして、クラス分けをしたり、カリキュラムの立て方の参考にします。
集団塾の場合、進学塾と学習塾の2つのケースがありますが、進学塾の場合は入塾テストの点数によっては入塾できないことも。
個別指導塾や学習塾(集団塾)では入塾テストでふるい分けをするというよりも、学力レベルのチェックを目的としています。
ただし進学塾でも学習塾でも集団塾では、入塾時に塾のレベルに学力が届かない場合には入塾できない可能性もあります。
その場合には個別指導塾が最適。
個別指導塾は入塾時の学力レベルの受け入れ範囲が広く、勉強が苦手・できないといった子どもには始めやすい塾となります。
中高一貫校について
集団塾の場合には塾のカリキュラムで勉強が進められるため、独自のカリキュラムをもつ中高一貫校の授業対策としては対応が難しくなります。
個別指導塾の場合は、学校のカリキュラムに合わせることができるので、公立でも私立でも中高一貫校でも、授業対策が取りやすくなっています。
授業回数・時間割について
時間や回数は集団塾では塾の指定時間割に生徒が都合を合わせる必要がありますが、個別指導塾の場合には、開講時間内であれば生徒の都合の良い時間、回数でプランを組むことができます。
費用について
個別指導塾は一人ひとりのカリキュラム設定となるため、料金相場を断定することが難しくなりますが、基本的には集団塾よりも高くなる傾向があります。
1人の講師が1人、または2人を担当するため必然的に価格はあがります。
ただしきめ細かな指導を受けられるので、個別指導が合うタイプのお子様なら費用対効果は高く納得できる範囲内での誤差額といえます。
以下は、集団塾の平均と大手塾の大まかな料金です↓
集団塾 |
---|
小4:約8,000~※2 中2:約15,000円 高2:約36,000円 |
※2:中学受験塾の相場は27,000円~40,000円
個別指導塾 | |
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個別教室のトライ | 約11,500円~17,000円 完全1対1指導 |
スクールIE | 約9,500円~12,500円 ※1対2指導 |
個別指導塾スタンダード | 約8,300円~12,500円 ※1対1指導 |
個別指導塾は集団塾よりも料金に幅があります。
学年はもちろん、1週間の回数、1コマ(1回)の授業時間、設備使用料などの雑費、によってひと月当たりの料金はまちまち。
個別指導塾の場合は1コマ(1回)60分~120分程度(学年による)、週1回が平均的な時間・回数です。
集団塾と個別指導塾 メリット・デメリット
集団塾 | 個別指導塾 | |
---|---|---|
メリット | ライバルと切磋琢磨できる 自分の立ち位置を把握しやすい がんばっている友達の影響を受けられる 費用を抑えられる 受験等の情報が入りやすい | 個別カリキュラムで勉強できる 自分のペースで勉強できる 授業を振替えしやすい 集中しやすい その都度質問ができる 講師とコミュニケーションがとりやすい 講師の変更ができる |
デメリット | 時間の融通が利かない 質問しにくい 担当講師の変更ができない | 料金が高め ライバル・仲間がいないので競争心が育ちにくい |
集団塾の魅力はクラスメイトがいることで影響を受けやすく、ライバルを意識しながら成績アップにつなげることができるという点。
時には一緒に頑張り、時にはライバルとして抜きつ抜かれつ…その間に学力の伸びを実感できます。
また集団で授業を受けるので「自分が今どの程度できるのか」を把握しやすいのもポイント。
その一方、時間割は塾の指定になるので、他の用事を時間割に合わせる必要がある不便さもあります。
集団で授業を受けるため、わからない問題などはその場で手を挙げて質問したり、授業後に質問するなど、ある程度の積極性が求められます。
内気なタイプの子どもの場合には、つまずきを残してしまうことになるので注意が必要。
ただし、つまずきに対しては復習テストなどで理解度をチェックして、必要であれば補講などの声掛けをする塾も多いので、こうしたポイントも塾選びで質問しておきましょう。
また集団塾の場合には、担当講師の変更はできません。
児童・生徒側もある程度歩み寄ることができるタイプでなければ通塾がしんどくなります。
個別指導塾は子ども一人ひとりのペースで無理なく学力アップを目指せる学習スタイル。
他の児童・生徒の影響を受けることなく勉強を進められる反面、「自分がどの程度のレベルなのか」を知ることが難しくなります。
わからない問題などはその場で質問・解説となるのでつまずきを取り残す心配はありません。
講師と合わない場合には、変更してもらうこともできるので、大人しいタイプのお子様にはピッタリの学習スタイルといえます。
どうしても料金は集団塾に比べると高くなりますが、個別のプランでしっかり指導を受けられることを考慮するとコストパフォーマンスが高い学習方法といえます。
タイプ別 塾のスタイル「合う」「合わない」
集団塾が合うタイプ | 個別指導塾おすすめタイプ |
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人が好き(クラスメイト・講師) 目標は上位成績キープ・難関校合格 友だち・ライバルと一緒に頑張りたい 積極的に話しかけることができる 費用はできれば抑えたい 標準レベルの勉強はできる | 1人で集中して勉強したい 独自のカリキュラムでしっかり学びたい 勉強が苦手・できない 内気・消極的な性格 先生との相性が心配 マイペースで無理なく成績アップしたい |
まとめ
集団塾と個別指導塾では受講スタイルの違いから、合う・合わないがはっきりと分かれます。
塾というと集団塾をイメージして抵抗感を感じる場合もありますが、個別指導塾に行ってみると思いのほか抵抗なく通塾できるようになったり、個別指導塾では成績が奮わなかったのに集団教室になったら学力がめきめき伸びた…ということも。
子どものタイプや目標によって、塾での学び方を変えることで成績アップや志望校合格につなげることができます。
集団塾も個別指導塾も、ほとんどの塾で説明会のほか体験授業などもあるので、まずは希望の塾で体験してお子さまとの相性を確認してみましょう!
※家庭教師在籍数全国1位 2023年01月16日 産經メディックス調べ